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大学院卒は就職では有利になる?理系・文系の違いや就活時の注意点を紹介| 就活応縁くまもと

公開日: 2024.08.14

更新日: 2024.08.14

大学院卒は就職では有利になる?理系・文系の違いや就活時の注意点を紹介| 就活応縁くまもと

理系の学生にとっては、進学することが当たり前になりつつある大学院ですが、大学院で学ぶことは企業から良い印象となるのでしょうか。

たしかに、理系の技術職の場合は大学院での研究が仕事と密接に関わることもあります。しかし、業種によっては学部卒で就職した方が良い場合もあります。

この記事では、院卒の就活に関する情報や注意点をご紹介します。

大学院卒の就職状況

大学院とは、学部を卒業してから、修士課程であれば2年、その後博士課程に進学する場合は3年の研究をする場所ですが、実際の進学率や院卒の給与はどのようになっているのでしょうか。

大学院への進学率 

文部科学省による令和5年の「学校基本調査」 によると、大学院に進学した男女は6万8,012人です。

理学・工学の分野が半数以上を占めており、理系の大学院進学は多いといえます。理由は、企業の技術職や研究職の要件で修士課程を修了していることが要件となっていることが多いからです。

一方、文系では司法試験の受験資格のために法科大学院に進学することが多く、逆に社会科学や芸術などの分野では進学が少ない傾向にあり、文系の大学院進学は限定的といえます。

参考:e-Stat

大学院卒の給与

大学院では、学部生と比べると専門的な内容を研究することになりますが、その専門性は給与という形で評価されるのでしょうか。厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)」 によると、大学院修了者の初任給は23万8,900円です。

大学卒の初任給が21万200円であることを考えると、大学院を修了した方が高めの初任給を受け取ることができることが分かります。ただし、研究職などの専門的な職種は狭き門であるため、決して楽に就職できるわけではないため、よく考えてから進学を決めましょう。

企業は大学院卒を求めているのか

企業側がそれでも大学院修了者を募集するのは、学歴ではなくその人の持つ専門的なスキルや知識を求めているからです。

特に、理系の技術職や研究職では、大学院修了をしていることが要件となっていることもありますので、自分が将来的にやりたい仕事の募集要項を確認しておきましょう。

特定の限られた職種以外の場合は、大学院修了者の方が有利ということはあまりないでしょう。どうしても大学で研究をして新しいスキルや知識を身につけたいという場合には、就職してからもう一度大学で学びなおすというパターンもありますので、焦る必要はありません。

大学院生の就職活動スケジュール 

学部生と大学院生では就職活動のスケジュールが異なりますので、注意が必要です。以下では一般的なスケジュールをご紹介しています。

学部卒

学部卒の場合は大学3年生の4~6月に就職活動を開始することが多いでしょう。一般的には6月からは、その年の夏に開催されるインターンシップの選考が開始されます。

本格的な就職活動を開始する前にインターンシップに参加しておくことは、業界研究などの観点で重要です。大学院に進学する場合でも、インターンシップに参加することで自分の興味のある業界や仕事の目星を付けることができるため、学部生のうちからインターンシップに参加してみるのも良いでしょう。

修士課程

修士課程の学生の場合、3月に情報が解禁され、6月に本選考がスタートするというのが一般的な流れですが、インターンシップに参加する場合は修士1年の段階から就職活動をスタートすることになります。

修士課程の場合、授業に加えて学部生よりも専門的な研究をすることになりますので、研究と就職活動の両立が非常に大変になる点には注意が必要です。どちらもおろそかにしないためにも、早めに行動し、同じ研究室の先輩などに就職活動の話を聞くのも良いでしょう。

博士課程

博士課程の場合は、学部卒や修士課程と異なり、就職活動のスケジュールに決まったルールが定められておりません。博士課程の場合は民間企業の他に研究機関や大学など、就職先も幅広いことが想定されます。

民間企業に関しては、博士課程の学生を積極的に採用している企業の場合は10月ごろに選考を開始しますので、早い段階での就職活動の準備が大事になります。博士課程の採用の場合は専門性も非常に重視されますので、修士課程以上に研究をおろそかにしないことが大事になります。

文系・理系の大学院卒の進路 

修士や博士課程を修了した学生の場合は、文系と理系でその進路に違いがみられます。大学院卒の扱いも研究分野によって異なるでしょう。

文系 

文系の大学院進学者は理系と比較すると多くはありませんが、就職で大学院の研究を活かした職種に就けるのは一部の人に限られます

例えば、音楽や美術などの芸術分野の場合は、演奏家や画家になる、教室で講師をする、大学で研究を続けるなどの選択肢があります。哲学や宗教などの実務に直結しにくい分野の場合は一般企業への就職の場合は学部卒の人と同じような扱いを受けることが多いでしょう。

文系の大学院の場合は、専門分野を活かせるという観点のほかにも、研究で培った分析力や調査能力などを活かせるという観点で仕事を探すことも有効です。

理系

理系で理学や工学分野で研究をしていた人は、修了後も大学や研究機関に残って研究者や大学教員を目指す人もいるでしょう。また、民間企業に就職する場合は、研究開発職、設計職、生産管理などの専門職に就くことが多いと言えます。

業界としては自動車、化学、電機、製薬、食品メーカーなどの製造業が多いでしょう。理系の場合は民間企業であっても大学院での研究が仕事に直結しやすいです。ただし、研究とは関係のない営業や事務職などの職種に就く場合は大学院卒が有利とはいえないでしょう。

大学院卒の就職活動の種類 

大学院卒の就職活動には自由応募と学校推薦があります。それぞれの方法の特徴をご紹介します。

自由応募

自由応募とは、企業に直接応募することを指します。学部や大学に制約を受けずに、自分自身が働いてみたい企業や職種に応募することができます。

多くの企業に応募することができるため、本当に自分に合っている企業を、面接を通じて知ることができるでしょう。ただし、自由応募の場合は、倍率が高くなりがちですので、大学院での研究やこれまで経験をアピールできるように念入りに準備しておくことが大事です。

学校推薦

主に理系の学生に当てはまりますが、学校推薦を活用した就職活動もあります。学校推薦の場合は、企業から優先して選考を行ってもらえるというメリットがあります。

また、OB・OGの紹介など、大学からの支援も手厚いため、内定へ直結しやすいという特徴があります。ただし、推薦の場合は、内定辞退は基本的にはNGですので、その企業に入社するかどうか決め切れないという場合は応募には慎重になった方が良いでしょう。

大学院への進学に迷ったら考えるべきこと

大学院へ進学することは、専門性を高めることができるなどメリットもありますが、目的のない進学はかえって評価を低くしてしまう可能性があります。進学に迷っている場合は、以下の観点からもう一度見直してみましょう。

就職活動の先延ばしの進学はやめよう

就職活動がうまくいかない場合に、大学院への進学が頭によぎることがあるでしょう。しかし、大学院は研究をする場所であり、修士論文をまとめるのもかなりの労力を必要とします。

「就職活動にもう少し時間がほしい」という理由で大学院への進学を考えている場合は、進学はおすすめできません。日本の企業の場合は、年齢が若いうちに人材を育成したいという企業も多いため、目的もなく2年を大学院で過ごすことはかえって評価を低くしてしまう可能性があります。

大学院に進学するのは、進学先でやりたい研究がある場合だけにしましょう。

専門職は狭き門

大学院で研究を進めていくと、研究を仕事にしたいと思うことも多いでしょう。

研究職は、文系も理系も狭き門であり倍率が非常に高いです。

たとえば理系の専門的な知識を活かせる仕事であれば設計や生産管理などもあり、文系であれば調査能力を活かせるマーケティングやコンサルティングなどの研究職以外の職種もありますので、幅広い職種を検討してみましょう。

進学する場合は専門性を極められるかがポイント

大学院は研究をする場所です。企業側も大学院修了者に対しては専門的なスキルや知識を身につけていることを期待している場合が多いです。大学院に進学するからには、研究にかなりの時間を割く覚悟を決めましょう。

物事をより深く追究し、新しい知識に貪欲になれるかどうか、自身の性格を見極めてから進学を決めましょう

まとめ

大学院へ進学することは、メリットがある一方で進学の動機によっては就職活動で不利になってしまう可能性もあります。

お金や時間をかけて進学するからこそ、研究に没頭する覚悟で進学することをおすすめします。充実した研究生活を送ることができた先に、自分に合った仕事に出会うことができるでしょう。

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