就活対策として、何らかの資格取得を検討している人もいるのではないでしょうか?
一方で、「就活に資格は必要ない」と言われることもあります。
本記事では、就活における資格の必要性、いらないと言われる理由、持っておくと有利な資格について解説します。
2. 就活で資格が重視されにくい理由は?
3. 就活で資格を持っているメリット
4. 就活で持っておくと有利な資格は?
5. 就活における資格のアピール方法
6. 就活に資格は必須ではない!
7. 熊本で就職するなら「就活応縁くまもと」
就活で資格はいらないのは本当?
就活で資格は本当に「いらない」のでしょうか?
平成30年に厚生労働省が発表した「若年層雇用実態調査」で、各企業が正社員の採用で重視している点が調査されました。
この調査結果により、資格が就活において重要かどうかが分かるでしょう。 結果の一部を以下の通り抜粋します。
正社員の採用にあたり重視した点(新卒入社者)
職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神:77.9%
コミュニケーション能力:71.1%
マナー・社会常識:61.0%
組織への適応性:51.4%
体力・ストレス耐性:34.9%
業務に役立つ専門知識や技能(資格・免許や語学力):31.5%
柔軟な発想:27.5%
学歴・経歴:25.4%
従順さ・会社への忠誠心:20.5%
業務に役立つ職業経験・訓練経験:10.7%
その他:6.9%
資格習得にあたる「業務に役立つ専門知識や技能(資格・免許や語学力)」は11項目中6番目の重要度です。
「コミュニケーション能力」「チャレンジ精神」ほど高くはありませんが、全く不要だと言われるほど低くもないことが示されています。
興味深いのは「学歴・経歴」よりも高い重要度があるということです。
学歴に自信がないと考えている方も、資格でのアピールが有効になる可能性がありそうです。
就活で資格が重視されにくい理由は?
資格が就活で「いらない」と言われる理由はいくつかあります。
コミュニケーション能力がアピールしづらい
資格の取得は、主に一人で勉強する過程を経て達成されます。 そのため、アルバイトやインターンシップのように、他者と関わりながら業務を遂行する経験を積むことが少ないです。企業が重視する「コミュニケーション能力」をアピールすることが難しくなります。
資格習得だけでは仕事に役立てられない
資格を取得すること自体は一定の知識やスキルを証明するものですが、実際の業務ではその知識をどう活かすかが重要です。実際、知識だけを持っていても行動力や対外折衝能力がないと、その能力を生かせないケースが多いです。
例えば、「宅地建物取引士」を持っていることは不動産会社への就職にかなり有用です。
ただ、実際の不動産取引は営業力が重視される傾向にあります。
そのため、資格を持っていなくてもコミュニケーション能力が高い人を採用するケースが多いです。
努力に対して評価されることが少ない
資格を取得するまでにはかなりの努力が必要であり、時間もかかります。
ただでさえ忙しい学生生活の中で、時間を捻出するのは大変だと思います。
ただ、資格取得は自らアピールしない限り、面接の時に深堀りされることが少ない傾向です。
労力の割には評価されることが少ないことから「いらない」と言われてしまうのです。
就活で資格を持っているメリット
ただ、上手にアピールすることができれば、資格を持っていることにメリットもあります。
PDCAが回せることをアピールできる
資格取得は、長期間にわたる勉強や努力の成果です。
目標達成のための計画を立て、限られた時間で勉強していかなければどんな資格も達成することができません。この資格取得までの道のりは、仕事でPDCAを回すのと似ています。
PDCAとは、Plan=計画、Do=行動、C=振り返り、A=次の行動という、仕事の理想的なサイクルのことです。
何らかの資格を取得していることは、PDCAに基づいて仕事ができることをアピールする材料となります。
基本的な業界知識を勉強していることがわかる
特定の業界に関連する資格を持っている場合、その業界に関する基本的な知識を既に持っていることを示すことができます。
例えば、IT業界であればITパスポート、経理職であれば簿記の資格が該当します。
また、業界研究をしている熱意を証明するアピールにもなるでしょう。
これにより、入社後の研修や教育の負担を軽減できるため、企業側にとってもメリットとなります。
入社後、配属で有利になる可能性も ある
資格を持っていることで、有利になるのは就活中だけではありません。
入社後、特定の部署や業務への配属が有利になる場合があります。
特に総合職では多様な配属先があり、業務内容も大きく変わります。
仕事を通じて成し遂げたいことがある場合は、それに合わせて資格を取っておくと良いでしょう。
例えば、TOEICの高スコアを持っていれば、海外営業の部署に配属される可能性もあります。
最初の配属は自分の成果を残して次のキャリアにつなげるチャンスなので、大事な機会です。
思い描いているキャリアに合わせて戦略的に資格を取得することが重要です。
就活で持っておくと有利な資格は?
就活において特に有利とされる資格は以下の通りです。
TOEIC
TOEICは、英語の資格の一つで、合否ではなく点数が指標となります。
この資格が有用なのは、就活において、英語力が問われる場合が多いためです。
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会が実施した「英語活用実態調査2019」によると、
「人材採用時、配属部署の決定や異動時に一定の英語能力が求められる」が、「現在」が18%、「3年後の見通し」が36.7%に増加しています。
(引用元:英語活用実態調査2019/一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)
この結果は、英語力があると採用や異動時に有利になる可能性があることを示しています。
英語の資格はさまざまですが、TOEICがビジネス英語の指標として最も有効です。
もし海外で活躍できる仕事を任されたいと考えているのであれば、TOEICを検討してみると良いでしょう。
また、英語を身につけるにはコンスタントな勉強の習慣が欠かせません。
TOEICで600点以上のスコアを保持していることで、自己研鑽を欠かさない人材であることをアピールする材料となります。
就活における英語の必要性は、以下の記事でも解説しています。
ITパスポート
ITパスポートは、国家資格に該当し、ITの基本的な知識を持っていることを証明する資格です。
内容は、コンピュータの仕組みからシステム開発の流れ、セキュリティなどの知識など幅広いです。
IT業界を目指す人にとっては、ITパスポートの勉強自体が業界研究につながるおすすめの資格の一つです。
また、下記の記事でも新卒のエンジニアを目指す人が取得するべき資格を解説しています。
簿記
簿記は経理や会計の基本知識を証明する資格です。
特に経理職や財務職を目指す場合に有利です。
一般企業においても基本的な財務知識を持っていることは評価されるポイントとなります。
例えば、営業職が財務知識を持っていることで、取引先のバランスシートをもとに高度な提案をすることも可能になります。
経理以外の一般事務職でも、営業数字の管理をする際に、簿記の知識は有効です。
一般的には3級、経理職を目指す場合は2級を持っておくと有利でしょう。
就活における資格のアピール方法
資格を持っているだけではなく、それをどのようにアピールするかが重要です。
以下のポイントを押さえて効果的にアピールしましょう。
資格取得の動機を示す
まず、なぜその資格を取得しようと思ったのか、その動機を明確に説明することが大切です。
例えば、下記のことを話せると良いでしょう。
(例)TOEIC800点を取得した動機を不動産会社にアピールしたい場合
私がTOEICの勉強を始めようと思った理由は、海外の方とも不自由なく仕事ができる人材を目指していたためです。私が志望している不動産業界は、少子高齢化により今後の発展のためには海外への進出や、外国人居住者の受け入れが必要な現状を知りました。元々英語は得意でしたが、よりビジネスに適した英語を学びたいと思い、TOEICの学習を始めました。
特定の業界で活躍したいという強い意志や、自己成長のための挑戦として資格を選んだことなどを具体的に述べると良いでしょう。
資格取得への過程を示す
資格を取得するためにどのような努力をしたのか、その過程を詳しく説明することも重要です。
(例)TOEIC800点を取得する過程を話す場合
まず目標の設定を行いました。一度実力判定のために受験した結果700点でした。そこで、「半年後までに800点を取得」と目標を立てました。当時サークル活動やアルバイトも行っていたため、捻出できる時間は1日平均1時間ほどでした。通学時間や授業の休み時間などを利用して学習し、歩いている間もイヤホンでリスニングを行うなど、学習時間の捻出に力を入れました。空いている土日などは平日の復習や模試形式の問題演習を行い、本番と同じ形式で問題が解けるかどうかを確認しました。
どれくらいの時間を費やしたのかなど、具体的なエピソードを交えてアピールしましょう。
資格の過程、結果を仕事にどう活かせるかを示す
最後に、取得した資格をどのように仕事に活かせるかを明確に示すことが重要です。
実務経験がない場合も今後の展望と努力について示しておくと良いでしょう。
(例)TOEIC800点を取得したことを仕事に活かしたい場合
私はTOEICを取得したのみで、実務経験に課題があります。それを克服するために、現在オンラインでビジネス英会話を毎日25分、ネイティブの講師と行っております。講師はビジネスの経験も豊富なため、ビジネスにふさわしい英語の使い方やマナーなどを学んでおります。この学習を少しでも実務に生かせるように対応したいと考えております。
具体的な業務でどのようにその資格が役立つのか、自分がどのように貢献できるのかを具体的に説明することで、企業に対して自分の価値をアピールすることができます。
就活に資格は必須ではない!
就活において資格が絶対に必要というわけではありません。
ですが、志望業界や希望の職種に合った資格を取得していることは大きなメリットとなります。
また、資格の取得が業界研究につながる場合もあります。 もし志望業界で必要な資格があればぜひ挑戦してみてください。
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