そもそも時事問題って何?
「時事問題」とは現在起こっている政治・経済・社会の出来事や、少し過去やこれから起こると予想される社会問題のことです。
もう少し簡単に言うとテレビのニュースや新聞などで取り上げられている話題になります。そのため自然と知っている時事問題も多いかもしれません。
企業が時事問題を出題するねらい3つ
ではなぜ就活において時事問題を出題するのでしょうか。企業にとって以下の3つの目的があるためです。
社会問題への意識をみるため
どの会社で働く場合でも、社会問題とは切り離せません。自分に関することだけではなく、社会全体の流れを把握しておくのは、とても大事なことです。時事問題に対してスムーズに回答ができない就活生は、「無関心で責任感が弱く自分さえよければよい人」と捉えられてしまいます。
普段から情報を意識しているかみるため
世の中の流れはとても早く、企業にとってたった1つの情報が大きな利益を生み出すこともあれば、命とりになる場合もあります。そのためいち早く有益な情報を日ごろから収集しアンテナを張って、幅広い情報、知識を得ようとしているかが企業にとってはとても重要です。
確かな情報を素早く着実に集めるスキルは、どの業界、企業でも必須の能力になります。
自分の考えを持っているかみるため
時事問題について聞かれた時、ただ知っていることを述べるだけでは、学校でテストのように知識を問うだけになってしまいます。企業が知りたいのは応募者の人柄です。そのためニュースや社会問題に対して、どのように感じているかなど自分の意見を伝える大事な機会にもなります。
自分をアピールし、好印象につながるようにしましょう。
就活の時事問題で抑えるべき用語
基本の時事用語をまず押さえておきましょう。時事問題はその背景や根本がつながっている場合も多いので、用語から勉強すると取り組みやすくなるでしょう。
今回は社会・経済・政治の中から2023、2024年に関係する用語を選びました。
社会の時事用語
「SDGs」、2024年に行われる「新札発行」、「マイナ保険証に一本化」の3つの時事用語について解説します。
SDGs
SDGs(エスディージーズ)は「Sustainable Development Goals」の略称で、直訳すると「持続可能な開発目標」という意味です。2015年に開催された国連サミットにおいて採択されました。
貧困、不平等・格差、気候変動による影響など、世界のさまざまな問題を根本的に解決し、すべての人たちにとってより良い世界をつくるために設定された、世界共通の17の目標です。2030年までに目標達成をすべきとされています。
日本におけるSDGs 「Society5.0」の活用
SDGsは地球環境の保護、教育、貧困やジェンダーの問題、経済成長など幅広い領域にまたがる大きな問題です。17の目標達成のために内閣府は「Society5.0」の実現を呼びかけています。
「Society5.0」とはフィジカル空間(現実空間)とサイバー空間(仮想空間)を融合させたシステムによって、社会的な課題の解決と経済発展を両立させるための新たな社会のことです。
具体例として自動運転技術による渋滞のない社会や自律型の車いすの活用などがあげられます。
新札発行
2024年7月3日に新札が発行されます。発行とは日本銀行の門を新札がでるということで、その後各金融機関に行き渡ります。新しいお札には世界発の最先端のホログラム技術が導入され、偽札偽造の防止に役立たれます。
新しいお札のデザインは以下の3種類になります。
・五千円札:津田梅子(日本で最初の女子留学生としてアメリカで学んだ)
・千円札:北里柴三郎(破傷風の治療法を開発した細菌学者)
マイナ保険証に一本化
2024年12月2日に今まで使っていた健康保険証が廃止され、マイナンバーカードと健康保険証の一体化した「マイナ保険証」に変更になります。今の健康保険証の廃止後も最大1年間は、移行期間として今までの健康保険証が使用可能です。
経済の時事用語
「DX」 、「円安」、「働き方改革」の3つの経済時事用語を解説します。
DX
DXは、Digital Transformation(デジタル トランスフォーメーション)の略です。直訳すると「デジタルによる(ビジネスや生活の)変容」となります。これを踏まえてDXは「デジタル技術を活用し、業務、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、変わり続けるビジネス社会で生き残ること」と定義されています。
ただデジタルを取り入れただけではなく、デジタル化の先にある戦略的な取り組みがDXの特徴です。
身近な例はフードデリバリー、オンラインスクール、在宅ワークなどがあります。
円安
学校などでも習う身近な時事用語の円安。円の価値が他の国の通貨よりも低い状態のことをいいます。現在(2024年2月6日)は1ドル=約148円です。円安は2022年から続いており、ウクライナ戦争やアメリカの金融上昇政策が原因でより進んでいます。
円安のデメリットは輸入品が高くなり、投資資金が海外へ流れやすく株式の値段が下がることです。メリットは輸出産業が好調になることです。海外での価格が下がるので買い手が増えるためです。
働き方改革
働き方改革とは働く方々の事情に対応した多様な働き方を、自身で選択できるようにする取り組みのことです。2019年に「働き方改革関連法案」が施行されました。
少子高齢化や働き方の多様化など、社会情勢の変化に企業が対応していく必要があります。SDGs目標の8番「働きがいも経済成長も」につながる用語です。企業は労働生産性の向上や、従業員満足度向上を実現する環境づくりが求められています。
政治の時事用語
あまり聞き慣れない用語もあるかも知れません。「BRICS 」、「一帯一路」、「COP29」 、そして2024年の各国の選挙について解説します。
BRICS
ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ(South Africa)の頭文字を合わせた造語です。人口や大きな面積をもつ国で資源が豊富であり、経済成長が著しいことから、先進国と並ぶ存在として注目されています。
BRICSは、世界の総人口の約43%、世界のGDPの約24%を占め、経済的に重要な国々です。
「一帯一路」
「一帯一路」 は中国の習近平政権が推進する国家プロジェクトです。中国西部から中央アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカまでを含んだ巨大経済構想エリアとして中国主導の新しい国際秩序の構築を目的としています。
「新植民地主義」「借金漬け 外交」「軍事覇権目的」などの問題があるといわれています。
COP29
COP29とは2024年アゼルバイジャンで開催される2024 年国連気候変動会議の略称です。COP(Conference of the Parties)はおよそ200の国・地域が気候変動問題を話し合う国際会議で、毎年開催されます。
2024年は29回目なので「COP29」と呼ばれます。
アメリカのスーパーチューズデー、ロシア大統領選、東京都都知事選、 など
2024年はアメリカ大統領選挙がある年です。他にも大きな選挙が行われます。
- アメリカのスーパーチューズデー(大統領選の予備選挙):2024年3月5日
- ロシア大統領選:2024年3月17日
- 東京都知事選:2024年7月7日
- アメリカ大統領選:2024年11月5日
時事問題の情報収集・勉強におすすめの方法3選
次に時事問題におすすめの勉強方法をご紹介します。なにかと忙しい就活中ですが、スキマ時間を見つけて地道に取り組んでみてください。
注意したいのは、ひとつのメディアだけに頼らないことです。ネットニュースだけですと、検索履歴から自分好みのニュースしか情報が流れてこない場合もあります。またSNSではデマ情報もあり信ぴょう性は低くなります。
できるだけ新聞や、テレビ、アプリ、ネットニュースなどさまざまな方法から情報を得るようにしましょう。
新聞を読む
新聞は政治、経済、社会から文化、スポーツまで幅広い情報を載せているので、時事問題対策にはうってつけのメディアです。1紙だけでなく、できれば数紙目を通すとよりよいでしょう。
紙だけでなく、電子版もあるので、手軽にチェックすることができます。
テレビをみる
その日起こったことを簡単に知るにはテレビニュースは有効です。疲れていて文字を読みたくない日でも、テレビの画面や音声から知ることもできます。
テレビで放送したニュースをネット配信もしているので、番組時間に合わせることなく視聴も可能です。毎日少しでも時事問題に触れるような環境をつくりましょう。
アプリやニュースサイトをチェックする
アプリやニュースサイトを使えば、外出先でも気軽に時事問題の勉強ができます。サイトによっては時事用語の解説があったり、就活生に特化したものもあったりするので利用してみてください。
おすすめの勉強アプリ
「時事問題・一般常識 一問一答」
4つの学習モードで、目的に合わせた学習を行える無料の就活向けアプリです。豊富な600問以上の問題と詳細な解説で、時事問題や一般常識を手軽に学ぶことが可能です。
おすすめのニュースサイトアプリ
・「NewsPicks」 ビジネスニュースとトピックに特化したアプリです。専門家や編集者によって厳選された最先端の経済ニュースを手軽にまとめ読みできます。
・「Yahoo!ニュース」 ニュース記事は信頼性の高い主要メディアからの提供を受けているため、圧倒的に信頼性が高いのが特徴です。国内のニュースを押さえるには向いているアプリになります。
普段からニュースにアンテナを張って情報に触れておこう
時事問題ときくと難しく感じるかもしれませんが、普段からニュースに触れておくことが、対策につながります。社会で起こっている話題を知ることは就活において大事な勉強になるだけでなく、今後社会人として働く上でも、重要です。
スキマ時間はできるだけニュースに触れる機会を増やし、普段からアンテナを張るようにしてみてください。
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