就活の中で、まず最初に志望企業のリサーチをするときには、求人票を使うことが多いものです。しかし、この求人票には記載されている情報がたくさんあるため、特にどのポイントを確認すれば良いかわかりずらいものです。
そこで今回は、求人票の見方・特にチェックしておくべきポイントについて、詳しく解説します。この記事をご覧になれば、求人票の見方が分かるようになります。ぜひ、最後まで読み進めてみてください。
求人票とは
※画像引用元:ハローワーク『求人申込書の書き方』より
求人票とは、採用を希望している企業が求人募集するために、募集要項などを記載した書類のことです。求人票はハローワークや民間の人材紹介会社・大学などの就職課に提出されます。
求人票には、職業安定法などの法律に基づいて必ず明記しておくべき項目と、任意に記載する項目があります。また、求人票のフォーマットは求人媒体ごとにあらかじめ決められています。
求人票から何がわかるのか
求人票に記載されている代表的な項目としては、業務内容・契約期間・就業場所・休日・賃金額などがあります。そのため、求人票をみれば給与や福利厚生・勤務条件・仕事内容などが分かります。
しかし、あらかじめ決められたフォーマットに従って記載されているため、その企業の内面(企業風土・実際の勤務場所の状況・働いている人の生の声など)までは、うかがい知ることはできませんので、注意が必要です。
求人票で特にチェックしておくべき5つのポイント
採用に関するさまざまな内容が記載されている求人票ですが、全てをチェックすることはとても大変なことです。そこで、特にチェックしておくべきポイントについて5つ紹介します。それは、「職種・仕事内容」・「給与・諸手当」・「就業時間・残業」・「休日」・「社会保険・退職金」です。
職種・仕事内容
入社後、実際に自分が担当する職種や仕事の内容は、重要な確認ポイントのひとつです。少なくとも、これから何年かは入社したときに配属された職種や仕事に毎日携わることになります。
そのため、自分が希望している職種や仕事であるか、または苦手としている職種や仕事ではないか、具体的に働くイメージを持って、しっかりと内容を確認しておきましょう。
給与・諸手当
つぎのポイントは、給与・諸手当です。労働条件の中で、いちばん興味がある項目ではないでしょうか。ここでは、「手取り金額」・「給与形態」・「賞与制度」の3つのポイントを解説します。
手取り金額
求人票に記載されている金額は、基本的に税込み金額となっています。手取り金額とは、税込み金額から税金や社会保険料を控除した金額になります。一般的には、税込み金額の約8割程度の金額が、手取り金額になるといわれています。
実際に生活のために使える金額は手取り金額であるため、手取り金額が自分で希望している金額かどうか確認しましょう。
給与形態(固定給・日給月給制・年棒制・固定給+歩合制・完全歩合制)
給与形態には、さまざまな形態があります。まず大きく分けると固定給・固定給以外の2つの形態に大別されます。
固定給とは、その名のとおり金額が固定された給与のことです。給与支給対象期間によって、月給制・週給制・日給制・年棒制などがあります。
また、月給制には2つの支給方法があります。それが完全月給制と日給月給制です。
完全月給制とは、1カ月単位で支給金額が固定されている給与形態です。そのため、遅刻や早退・欠勤があっても固定した金額が支給されます。
日給月給制とは、給与支給対象期間が日ごとになっており、毎月1回日ごとの金額をまとめて支給する形態です。そのため、遅刻や早退・欠勤があったときには、その分の金額が差し引かれて支給されることになります。
固定給以外の給与形態には、固定給+歩合制・完全歩合制があります。固定給+歩合制とは、固定給にプラスして成果や売上に応じて決まる給与(歩合制)が支給される形態です。
一方、完全歩合制とはフルコミッション制とも呼ばれ、給与全額が歩合制によって支給される形態です。そのため、成果や売上がないときには給与が0円ということもありえます。
このように。給与形態によって支給される金額も大きく変わる可能性があるため、充分注意してチェックをしましょう。
賞与制度
賞与(ボーナス)は、必ずしも支給されるとは限らない制度です。そのため、賞与をもらいたい場合には、求人票でその有無をチェックしておきましょう。
また、賞与ありの条件であっても、支給金額が明示されていない企業は要注意です。賞与額が、月給の何カ月分であるかも事前にチェックしておくと安心でしょう。さらに、決算賞与ありと記載されているときは、業績がよかったときだけ賞与が支給されるという企業もありますので、気を付けましょう。
就業時間・残業
つぎは、就業時間・残業時間についてです。ここでポイントとなるのは、「平均残業時間」・「残業代の扱い」の2点です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
平均残業時間
残業の多さを見極める指標のひとつに平均残業時間があります。平均時間をチェックすることによって、残業量がおおよそ分かります。
しかし、平均残業時間はあくまで平均の残業時間に過ぎません。そのため、業務ピークのときには、平均残業時間をはるかに超過する残業が発生してしまう可能性もありえます。
ピーク時の残業状況は求人票の特記事項(備考)に記載されているときもありますので、こちらも忘れずにチェックをしておきましょう。
残業代の扱い(みなし残業代・固定残業代・裁量労働制)
残業代の扱いも求人票の確認ポイントとなります。求人票に記載されている給与金額に、あらかじめ一定の残業時間の残業代も含まれているケースがあります。
これをみなし残業代または固定残業代と呼びます。一定の残業時間が発生しなくてもみなし残業代は支給されますし、一定の残業時間を超えてしまったときは、追加で残業代が支給されます。このような企業では、通常の残業時間も長いといった可能性があります。
実働時間に関係なく、成果に対して報酬が支払われる制度を裁量労働制と呼びます。この制度の働き方の場合、一部のケース(深夜残業・休日勤務)などを除くと、残業代が支給されませんので、注意が必要です。
休日
求人票を見るにあたってのポイントとして、休日制度もあります。ここでは、「年間休日数」・「週休制度」・「有休休暇制度」の3点を詳しく紹介します。
年間休日数
暦通りの場合、土曜日・日曜日・祝日の年間合計日数は、約120日程度です。
年間休日数が120日以下の場合は、土曜日・日曜日・祝日に出勤が必要となる可能性が高いといえます。
なお、企業によっては年間休日数に、有給休暇を含むケースもありますので、事前に確認をしておきましょう。
また、夏季休業については、会社の制度として年間休日に含まれている(有休休暇を消化しなくてもよい)ケースと、有給休暇を使って夏季休業を取得するケースがあります。このあたりについても、求人票で確実にチェックをしておきましょう。
週休制度(完全週休2日制・週休2日制)
週休制度には、完全週休2日制と週休2日制のパターンがあります。この2つ言葉は似ていますが内容は全く違いますので注意が必要です。
完全週休2日制とは、毎週必ず2日間の休暇がある制度です。一方、週休2日制は1カ月の間に週2日の休みがある週が1度以上あるという制度です。つまり、週休2日制の場合は、毎週休みが2日間あるわけではありません。週休制度についても、自分の希望と合っているか、しっかり確認が必要です。
有給休暇制度
有給休暇制度とは、一定期間勤続した労働者に対して付与される休暇のことであり、有休休暇を利用して休みをとった場合は、休暇当日の賃金減額はありません。
有給休暇が付与されるためには、法律的に「雇入れの日から6カ月経過していること」・「その期間の全労働日の8割以上出勤したこと」の2つの条件をクリアする必要があります。
しかし、あくまで法律による最低限の基準であるため、企業によっては入社早々から何日かの有給休暇が付与されることもあります。そのため、いつから有給休暇が付与されるかについて、充分チェックをしておきましょう。
社会保険・退職金
各種社会保険の加入有無・退職金制度の有無も、求人票でぜひ確認しておくべきポイントです。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
社会保険加入有無(雇用保険・労災保険・厚生年金・健康保険)
社会保険とは、「雇用保険」・「労災保険」・「厚生年金保険」・「健康保険」の4つの保険制度の総称です。
雇用保険とは、いわゆる失業保険などを指します。労災保険とは、仕事が原因で負傷したり疾病にかかった場合などのときに補償してくれる保険です。
これらの社会保険は、原則加入する必要がありますので、もし求人票に未加入と記載があったときには、注意が必要です。
退職金制度
退職金の支給は必須ではありません。そのため、企業によっては退職金が支給されないこともあります。また、退職金の算出方法も企業によってまちまちです。
そのため、退職金制度の有無や算出方法についても、求人票でしっかり確認しておきましょう。
まとめ
今回は、求人票の見方のポイントを紹介してきました。チェックしておくべきポイントとして、職種・給与・残業・休日制度・社会保険制度があることが分かったかと思います。
これから求人票のチェックを行うときには、この記事に記載されたポイントを中心に確認してみることをおすすめします。
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