エントリーシートで最も問われることが多いことの一つ、「ガクチカ」。人事担当者の心を動かし、次の選考に進むには、何を書けばいいのでしょうか?今回は、効果的なガクチカの探し方と印象に残る書き方をご紹介します。
そもそもガクチカとは?
就活をはじめた皆さんは「ガクチカ」という言葉が当たり前のように飛び交っていることに、戸惑いを覚えることも多いのではないでしょうか?
ガクチカとは、「学生(【ガク】セイ)時代に力(【チカ】ラ)を入れた活動や経験」を略した言葉です。
2014年頃から使われ始めた言葉のようです。新卒の就活において、志望動機や自己PRと並んでエントリーシートや面接で頻繁に問われる項目の一つなので、より言いやすいように就活生の間で略されるようになりました。
自己PRとの違いとは?
自己PRとガクチカは、目的は同じです。異なるのは、どこに重点を置くかです。
自己PRもガクチカも、最終的な目的は自分自身をアピールすること、という点で共通しています。
自己PRで具体的なエピソードを盛り込むこともありますし、ガクチカで最終的に自己PRと同じ結論になることもあります。 違いのイメージは以下の通りです。
自己PR:自分の強みや特技に重点を置く、エピソードはそれを裏付けるスパイス。
ガクチカ:エピソードが中心。具体的な経験から強みや特技が浮かび上がってくる。
そのため、エントリーシートで同じ事実をを書いているとしても、「自己PR」か「ガクチカ」かで、構成や書き方が全く異なってくるのです。
人事担当者はガクチカを通じて何を見ている?
人事担当者はガクチカを通じて何をみているのでしょう?
中途採用では前職の業務の経験から判断することを、業務経験のない新卒学生には学生時代の経験から判断します。具体的には、以下のようなことを判断します。
過去のエピソードから現れる学生自身の人柄
学生が語る過去のエピソードは、学生の選択や判断の宝庫です。 何らかの活動を選択した経緯や問題が起こったときの対処方法など、実際の体験に基づいて判断ができます。そのため、あえて自分の性格について語ってもらわなくても、学生の人柄が自然と表れてくることになります。
入社後活躍するイメージができるかどうか
人事担当者は、学生が自分の会社で長く働いてくれるかどうか、研修のコストや時間をかけても大丈夫な人物なのかを見極めなければなりません。 学生の過去のエピソードを通じて、入社後はどのように業務をするのかをイメージする必要があります。 そのため、就活生の側から人事担当者に「この学生さんは、うちの会社のこの業務に合ってそうだな」と思わせることがポイントになります。
思いつかなければ探そう!ガクチカの探し方
では、実際にあなた自身ののガクチカを見つけてみましょう。 大学時代に複数の活動をしている学生さんもいる一方で、ガクチカに言えそうなことが思いつかない人もいるかもしれません。ですが、ガクチカは決して難しくありません。ここでは、ガクチカの探し方ののヒントを紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。
学生時代の経験の振り返り
まずは、学生時代の経験を振り返りましょう。 この段階ではエントリーシートや面接に使えるかどうかは考慮せずに時系列順に書き出します。決して大きな成果でなくと小さな経験でも構いません。例えば、「毎日学校に行った、お弁当を作った」のレベルでもOKです。どんどん書きましょう。
経験の深掘り
全部書き出すことができたら、次はそれぞれの活動について深掘りしましょう。 深掘りのポイントは以下の通りです。
POINT!
動機:なぜその活動をしようと思ったのか?活動のきっかけは?
目的と目標:活動の目的は?目標は?目標に向かってどのように努力した?
問題提起:活動をする中で困ったことはあった?どのように解決した?
周囲との連携:周りの人とはどのように関わった?
上記の4項目を可能な限り考えて書いてみて下さい。こうすることで、自分の判断や選択の軸が自ずと見えてくるでしょう。
企業研究
経験を深掘りすることができたら、応募する企業を分析しましょう。 ガクチカと結びつけるための企業研究なので、業績などの数字よりもその企業の個性や業務内容を中心に調べます。
企業と自分のガクチカの共通点を見つける
企業研究の完了後は、先ほど書き出した自分の深掘りしたエピソードとの共通点を見つけておきます。
例えば、新しい価値を創造することをミッションの会社なら、何か新しい取り組みをしたエピソードが共通点となります。また、業務内容で多方面の利害関係者との調整が必要ということがわかったら、サークル外の人との折衝など多くの人と関わった経験をガクチカに選ぶと良いでしょう。
自分のガクチカを書いてみよう!
続いて、自分の活動を、ガクチカとしてエントリーシートに記載する形に落とし込みましょう。
結論から書く
まずは、結論から書き始めます。「私が学生時代に力を入れたのは〇〇です」という形で、自分の経験を明確に伝えましょう。
エピソードの書き方
エピソードの展開として有効なのは、「目標の設定と達成への工夫」と「問題発生と解決」です。専門用語など、活動を知らないと分からない言葉の使用は避け、誰にでも理解できる言葉を使いましょう。また、具体的な数字や頻度を、第三者の評価など客観的な指標を用いることで、より説得力が増します。
まとめ方
最後はまとめ方です。活動を通じて学んだこと、それを社会人としてどう活かすか、で締めましょう。
面接で聞かれたとき、深掘りされそうな点を考えておく
上記エントリーシートの書き方をお伝えしましたが、盛り込めなかった点もあるかと思います。エントリーシートに書かなかった部分も、面接では話せるように内容をまとめておきましょう。 面接では、多くの面接官がエントリーシートをあらかじめ読んでいますが、改めて聞かれることもあります。話す練習をするとともに、活動の内容が深掘りされることを想定した練習が必要です。
こんなこともガクチカになる!?書き方のポイントと例文について
中には、自分はすごいことをやってきていないので、ガクチカのネタが思いつかないという方もおられるかと思います。
ただ、自分では普通だと思っても、他の人にはなかなかできないこともあります。
いくつかの一見「普通」のエピソードからガクチカとして落とし込む例を紹介します。
授業出席率100%
大学の授業は比較的自由度が高く、毎回欠かさず授業に出席するのは意外と難しいのではないでしょうか?
自分を律して一貫した行動を取れることは、社会人として欠かせない責任感や継続力があることを示しています。
授業出席率を達成するためにどのような行動を取ったのか、なぜ授業出席率100%を達成しようとしたかを記載できると良いでしょう。
授業出席率100%を元にしたガクチカの例
大学生活で一番力を入れたことは、大学4年間を通じて授業出席率100%を達成したことです。結果的に100%になったのではなく、入学当初に出席率100%を決めて、計画的に行いました。授業出席率100%を決意した理由は、かねてより入学したいと思っていた大学で、受験勉強の時もずっと勉強を続けてきたためです。
せっかく受かった大学なので全ての授業に出て学問の体系的な理解を深めたいと決意しました。
達成のために行ったことは2つです。まずは、家から大学まで1時間半ほどかかるので、交通トラブルを避けるために1時間前に到着し、当日の授業の予習を行いました。
もう一つは、健康管理です。
サークルにも参加していましたが、体調不良や遅刻を避けたかったので、バランスをとりながら行いました。中には自分にはついていけないような難しい授業もありましたが、教授に質問したり関連書籍を読むことで理解を深めて出席し続けました。授業出席率100%を達成したことで、履修した授業への体系的な理解が深まり試験前には周りの学生に内容を説明できるようになりました。
また、教授からの信頼も得ることができ、いくつか手伝いを任せていただいたこともあります。
このように、自分で決めたことを守るという経験が結果的に周りへの信頼につながるということを学びました。社会人になると納期など、どうしたら達成できるかという視点で取り組んでいきたいと考えています。
アルバイトを淡々とこなした
アルバイトで単純作業を淡々と繰り返した経験をガクチカとしたい方もいるでしょう。派手さはなくても、継続して行うことは仕事をする上で重要な能力です。どのように業務を効率化したかなども合わせて話すと効果的です。
例として、「倉庫作業員」という倉庫で仕分け作業や梱包などの作業を行なっていた学生の経験をガクチカとして紹介します。
「倉庫作業員」のアルバイトを元にしたガクチカの例
大学在学中、私は物流倉庫でアルバイト作業員として勤務しました。
この職では、日々の物品の仕分け、梱包、そして在庫管理を行うことで、効率的な作業方法、チーム内でのコミュニケーション、そして細部への注意という重要なスキルを習得しました。 まず、効率性の追求が必要となりました。倉庫内での作業は、時間との戦いです。私は作業プロセスの最適化に取り組みました。無駄が多い作業を減らし、より迅速にアイテムを仕分けました。梱包するための方法をも行錯誤し、作業時間の短縮を実現しました。
また、倉庫作業はチームで行うことが多く、効果的なコミュニケーションが必要です。私は同僚と協力し、互いに情報を共有することで、作業の誤りを減らし、全体の効率を高めました。 また、細部への注意は倉庫作業において非常に重要です。私は商品の破損や誤配を防ぐために、品質管理に特に注意を払い、チェックリストを用いて作業の品質を確保しました。
この経験は、効率的な作業方法、良好なチームワーク、そして細部への注意力を養うことができる貴重な機会でした。貴社においても、これらのスキルを活かし、チームの一員として貢献できると確信しています。
ただサークルでワイワイしてただけ....
サークル活動での楽しい経験もガクチカになりえます。複数人の中で楽しめるということは、コミュニケーション能力がある証拠です。また、イベントの企画・運営などの経験は仕事をする上で大切な調整力や企画力を身につけることができるでしょう。
サークル活動を元にしたガクチカの例
大学時代、私は大学横断型のサークルに所属し、さまざまな大学の学生たちと共に様々なプロジェクトを企画・運営しました。
この経験から、効果的なコミュニケーション、チームワーク、イベント管理のスキルを身につけました。
私はサークルのイベント企画委員として活動しました。イベントのテーマ設定、宣伝、スケジュール管理、そして当日の運営まで、一連のプロセスを経験しました。特に、大学の文化祭の企画では、私は謎解き脱出ゲームという催しを企画しました。細部にわたる調整とチームメンバーの助けを借りて、最大の来場者数を達成することができました。 一連の活動を通じて、異なる意見を持つメンバーとの円滑なコミュニケーションが必要でした。話し合いを重ねる中で、相手の立場を理解し、意見を調整するスキルを身につけました。 このサークル活動は、楽しみながらも多くの貴重な経験を提供してくれました。貴社においても、これらの経験を活かし、チームの一員として、またリーダーとして貢献できると確信しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 新卒の就職活動においてガクチカは、自分の経験や学びを具体的に伝え、企業に自分を理解してもらうために重要です。 大学生活の中での小さな成功や学びも大切にし、自己PRに活かしましょう。
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