就職活動において欠かせない【業界研究】。
「なにから始めればいいかわからない」
「具体的になにをしたらいいの?」
と悩んでいる就活生は多いのではないでしょうか?
そこで、業界研究を失敗せずに就活へ活かせるための、やり方や手順について解説します。また、企業研究ノートの書き方の例文も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
2. 業界研究の目的
3. 「業界」と「職種」の違い
4. 【業界研究の手順】やり方・流れについて
5. 業界研究の情報の集め方
6. 業界研究のポイント
7.【具体例】業界研究ノートのまとめ方
8. まとめ
業界研究とは
一言でいうと「世の中にある業種や業界を知ること」です。
仕事内容やビジネスモデル(どうやって利益を上げているのか)、将来性や市場などを理解、イメージできるようにします。
業界ごとにさまざまな特徴があり、詳しく知ることで就活に活かせれます。
何から始めればいいかわからない方はまず、自分の興味のある分野から始めてみましょう。
- 仕事内容:原材料の仕入れ・流通先の確保・店舗での販売・新商品の開発・商品の広告など
- 取引先:外食・食品小売など
- ビジネスモデル:製品を販売(店舗・ネット)
- 発展性:食は人間の生きる上での楽しみなのでなくなることはない。フードロス問題が懸念。
業界研究はなぜ必要?
業界研究が必要な理由は大きく3つあります。
- 入職後のミスマッチを防ぐため
- 他の就活生と差別化をするため
- 志望する業界を絞るため
それぞれについて、説明します。
①入職後のミスマッチを防ぐため
業界研究は、世の中に数ある業界・職種の中から、自分が行きたい業界の方向性を絞る作業です。
業界研究を進めていくと「自分が想像していたのと違った」「自己分析と仕事内容が合ってなさそう」など、様々なズレに気付くでしょう。
「自分の就活の軸とのズレ」がいわゆるミスマッチと呼ばれるもので、仕事が楽しくないことや早期退職など、よくない結果につながります。
業界研究をすることで「ズレ」に気づくことができ、自分に合った業界や企業を見つけられます。そのため、入職後のミスマッチを最小限に抑えることができるのです。
②他の就活生と差別化をするため
エントリーシートや面接で必ず聞かれる「志望動機」「自己PR」を応える業界研究をきちんとしているかで、他の就活生と大きな差がつきます。
志望動機や自己PRでは、自分がその業界や企業で成し遂げたいことを伝えます。そのためには業界の業務内容や企業の立ち位置を把握できていないと、説得力のある志望動機や自己PRを作ることができません。
就活生の業界への理解と、業界の特徴や仕事内容がズレていないか、採用担当者は判断しています。
志望動機や自己PRで説得力のあるアピールを行い、他の就活生と差をつけるためにも、業界研究をしっかり行うとよいでしょう。
③志望する業界を絞るため
業界研究の3つ目の目的は、自分に合うと感じた業界の中から志望企業を絞り込むことです。
「企業選びなら企業分析では?」と思う方もいるかもしれませんが、企業を選択するためには、業界全体の動向を理解することが不可欠です。業界全体のトレンドの中で、各企業がどのような経営を行っているかは、その企業の将来性を見極めるための重要な情報なのです。
同じ業界の中でも成長の見込みが高い企業を選ぶために、志望業界を決めた後も業界研究を続けることが大切です。
「業界」と「職種」の違い
次に業界と職種の違いについて解説します。
【業界】
「どんな対象を扱うのか」を指しています。
メーカー:有形の物を扱って利益を得る
(自動車業界・アパレル業界・食品業界など)
サービス業:無形の物を扱って利益を得る
(教育業界・旅行業界・人材業界など)
【職種】
「職業の種類」のことで、「どんな役割を担うのか」を指しています。
営業職…取り扱う商品(モノやサービス)を販売
企画職…商品の開発・広告宣伝、販売促進の企画や、企業の経営計画を立案
技術職…商品や技術を生み出すための研究・開発、機器や施設の設計
各業界に各職種があり、「アパレル業界の営業職」「自動車業界の企画職」「人材業界の技術職」などといった呼ばれ方をします。
似ている言葉に「業種」「職業」とありますが、下記のように覚えておくとよいでしょう。
「業種」=業界の種類
「職業」=職務内容(どんな役割か)の総称
【業界研究の手順】やり方・流れについて
それでは実際に業界研究をはじめましょう。
今回は具体例として、熊本で連日ニュースで取り上げられている「半導体業界」を調べてみます。
業界ごとの特徴や成長性・安定性を自分の言葉で語れるようになればゴールです!
まずははじめにお持ちのスマホで「半導体業界」と検索してみてください
たくさんの検索結果があると思うので上位3件くらいまでみれば十分です。
手順①:業界の全体像を把握する
POINT:「広く浅く」でOK!
全体像の把握=業界の構造や動向を知ること、です。
- 市場規模と推移
- 代表的な企業の顔ぶれとシェア
- ビジネスモデルを把握(どうやって利益を得ているか、商材と利益の流れを理解する)
まずはこの3点を簡単に調べてみましょう。
半導体業界で実際に調べてみると・・・
- 約43兆円(2019年の国家一般会計歳出は101兆円なので約半分ほどの規模)
- 2001年の約2倍の成長率
- 売上高は順に東京エレクトロン(約11億)→ソニー(約10億)→東芝(約7.5億)
- 半導体メーカー=半導体そのものを製造する企業
- 半導体製造装置メーカー=半導体専用の精密装置を製造・販売
- 半導体商社=メーカーが製造した商品を各産業メーカーに販売
- 上記3社が利益関係者 などなど
上記のように調べがついたら次のステップに進みましょう!
手順②:業界の特徴・関係性を調査する
POINT:「狭く深く」調べてみる
- 各企業の違い
- 業界の置かれている状況(好調な面や課題)
- 業界全体の成長の見込み
こちらも半導体業界を実際に調べてみると・・・
- スマホ需要の落ち着きとIoT等の新技術
- 外国企業に淘汰され、日本の半導体メーカーは企業の再編や統合、破綻が活発化
- 熊本に世界トップクラスの半導体メーカーTSMC(台湾)がソニーと共同出資で新工場を建設し、特需が発生 などなど
ここまで調べると、「業界がわかってきたな」という感覚になるのではないでしょうか?
最後のステップに進みましょう。
手順③:気になる企業の採用状況を確認する
POINT:企業サイトだけじゃなくSNSなども活用
最後に「企業名_採用」などで検索し、採用情報を調べてみましょう。
近年では採用専用のSNSアカウントを運用している企業も多いので、①②で調べただけではわからない、実際の雰囲気などを感じることもできるでしょう。
熊本で話題のTSMCについて調べていくと、日本向けの採用サイトやSNSアカウントもあります。
実際に調べてみて、「自分にもできそうか」「自分に合っているか」を考えてみましょう。
業界研究の情報の集め方
先ほどはスマホを使ったやり方を案内しましたが、ここではより詳しく、正確に情報を得る方法について紹介します。
他の就活生と差をつけるためにも、ぜひ参考にしてください。
本・書籍
業界研究におすすめの本・書籍を紹介します。
◆業界地図
業界の全体像の把握におすすめです。各社から「業界地図」という名称で販売されていますので、自分のお気に入りの一冊を見つけてください。
◆四季報
こちらは実際の企業の詳細を知ることができます。選考プロセスや応募倍率、ES・GD・論作文の出題テーマなども載っているので選考対策にもばっちりです。
◆図解付きの就活関連書籍
図解付き」の本もおすすめです。
文章だけでは理解しづらい内容も直感的に理解でき、収益のような数字も視覚的に理解ができます。
webのようにスクロールしていったり来たりする必要もないので全体像の把握にも優れています!
◆新聞
最後に新聞を紹介します。
新聞は最新の社会情勢が理解できることが最大のメリットです。企業によっては、面接で時事問題を聞かれることもあるので、
日々、新聞やニュースを見る習慣をつけておきましょう。
ご自宅で購読していなくても、コンビニで購入したり、図書館で無料で読んだりできます。
⇒熊本日日新聞サイト
業界研究セミナー・会社説明会
業界研究セミナーは業界で実際に働く人の声が聞け、キャリアイメージの形成に役立ちます。また、会社説明会では事業内容や業績、業界内での立ち位置がわかり、実際に働くイメージがつかめます。
学校主催、各種就活ナビサイト主催で年間通じて開催している場合が多いので、メルマガや掲示板などをこまめに確認し、参加してみてください。
合同セミナーや合同説明会であれば、同時に複数社の情報が手に入ります。最近ではオンライン開催も増えているので参加しやすいことも魅力です。
OB・OG訪問
実際に働いている人に会って話を聞ける、OB・OG訪問はおすすめです。
自分のゼミやサークル、部活の先輩、大学の卒業生から依頼できます。学校のキャリアセンターで卒業生を紹介してくれるケースもあるので、一度相談してみてください。
OB・OG訪問では、自分で業界研究を行った上で、調べ切れなかった情報収集をできるメリットがあります。
より効果的に情報収集するために、質問内容をまとめてから訪問しましょう。
業界研究のポイント
業界研究を行う際のポイントについて紹介します。
- 「自己分析」からはじめる
- 時間をかけすぎない
- アウトプットする
- 業界研究の目的を見失わない
「自己分析」からはじめる
「どんな業界がいいのかわからない」と悩んでいる場合は、「自己分析」が足りていない可能性があります。
自己分析をすることで
・自分に合っている仕事は何か
・将来(数年後、5年後)どんな働き方をしていたいか
などが見えてきます。
どの業界を研究してよいか分からない場合はまず、自己分析をしっかり行い、業界研究をはじめてみましょう。
時間をかけすぎない
業界研究だけではありませんが、就職活動を進めていく中で「わからない」と考えすぎて、立ち止まってしまうこともあるかもしれません。
業界研究のゴールは「自分と業界・企業があっているかの判断」であり、業界の情報収集ではありません。
時間をかけすぎず、「自分の中で働くイメージがもてればOK」というくらいの気持ちで臨みましょう。
「業界研究が完璧=内定」ではないため、時間をかけすぎないようにしましょう。
アウトプットをする
業界研究において欠かせないことは「アウトプット」の作業です。
業界について詳しくなっても、その知識を活かせれなければ意味がありません。
詳しく得た情報は、エントリーシートや面接で採用担当者にアピールできます。
業界研究は、知識を得たことに満足するのではなく、アウトプットし、就活を有利にすすめていきましょう。
業界研究の目的を見失わない
業界研究でただ情報を集めるだけでは、就職試験での優位性や内定獲得に直結するわけではありません。
業界研究の目的は、卒業後に希望する業界や企業を特定し、自分がその業界に適しているかどうかを評価するためです。
業界について詳しくなることばかりに集中せず、業界研究の目的を忘れないようにしましょう。
【具体例】業界研究ノートのまとめ方
業界研究ノートとは、就職活動の過程で興味を持った業界や、就職を希望する業界の情報を整理してまとめたノートのことです。
通常、特定の企業に提出するものではなく、自分自身の情報整理ツールとして使うため、まとめ方に特定のルールはありません。
記載する内容も、業界の特徴や魅力、課題、将来性など、自分が重視したい情報を自由な形式で記入します。
【具体例】
業界名 | IT業界 |
---|---|
興味のある企業 | A社(興味を持った理由:世界に通用する企業だから) |
市場規模 | 10兆 |
業務内容 | ・製造、営業 |
業績 | ・ここ数年は業績が伸びている |
ビジネスモデル | ~に対して、○○を提供する |
平均年収 | 約650万円 |
平均年齢 | 35.5歳 |
将来性 | グローバル化を目指している。202×年に台湾に進出予定。 |
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|
採用情報 | 202×年4月より募集開始(募集人数▲名) |
得た情報を活用しやすいように、自分なりの方法でまとめてみましょう。
まとめ
業界研究をこれからはじめる就活生に向け、目的ややり方、ポイントなどをご紹介しました。
業界研究をすることで、自分が知らない情報を手に入れることができ、視野を広げるきっかけになります。また、自分に合った業界を見つけやすくなるため、入職後のミスマッチも減らせられるでしょう。
また、業界研究で得た情報をエントリーシートや面接で活かすことで、他の就活生と差をつけられ、就活を有利に導くきっかけにもなります。
業界研究に取り組んでいない就活生も、この記事を参考にぜひ業界研究をはじめてみてください。
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就活応縁くまもと
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